1秒のその先♡少しずつ変わって行く距離間
「なぁ、いつになったら思い出してくれる?なぁ…何でだよっ。

何で俺だけ、お前は覚えてねぇーんだよっ」


その声を聞いて、私は苦しくて、切ない気持ちになった。


涼雅の痛み。


苦しみ。


ずっと、優しくて私を気遣ってくれてたけど…、本当はこんなにも傷付けてたんだね。


ごめんね。


「ごめんね、涼雅…。きっと、ううん、絶対、思い出すから」


そう涼雅に言いながら、私もそっと抱き締め返した。



しかし、これはただの事の余興にすぎなかった。


愛夢は日に日に記憶を無くして行ったのだ。


学校のことも、自分の両親のことも、自分のことですら解らなくなっていった。

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