先生、私じゃダメですか?
先生の素顔
「佳~!!何で遅れたのよー!?心配したんだから!!」
無事入学式がすべて終わったあと、教室で中学からの親友、赤木ミホが駆け寄ってきた。
結局、まだ新入生は体育館の近くの教室で待機していたから、なんとか入学式には間に合った。
ミホは私よりも10cmくらい背が高くて、サバサバ系でしっかり者。私はいつもミホの事を頼りにしていた。
「ごめん…。実は中ズック忘れちゃって…。」
「はぁ!?もう…佳はいつもそうなんだからぁ。」
苦笑いでため息をつく。今まで何度私のマヌケっぷりを、ミホに見せてきただろう。
でもそのたびに、いつもミホは私を助けてくれたのだ。
「あれ?でも佳、ちゃんとズック履いてんじゃん。」
私の足元を見て、不思議そうに聞いてくる。
「あぁ、先生に貸してもらったの。」
「先生って、誰先生?」
「……あ」
しまった。
名前聞くのを忘れていた!!