美少女戦隊☆U4ジャー

あすみが
泣きそうに叫ぶ。

「ドアがある!!
そこに入ろう!!!!」

るみかが急ブレーキをかけ
ドアを開け、
3人は飛び込むように
中へ入った。

バタン

ドアがしまって鍵をかけ
るみかが座りこむ。

『はぁぁ…』

4人のため息が
室内にこだまする。

「ゴキブリに
追いかけられるなんて」

あすみが
冷たい床に寝っ転がった。

「疲れた…」

みゆも寝っ転がる。

「ってかこの部屋なに?」

ゆきなが見回す。

黒い壁に
黒と白の市松模様の
タイルの床。
それ以外何もない。

「まともな部屋だね」

るみかが指摘する。

「床冷たくて気持ちいい」

みゆが眠そうに言った。

「こっちに階段あるよ!!」

ゆきなが部屋の端で
発見した。

タイル4枚分の穴があり
そこから細い階段が
暗闇の中へ続いていた。
手すりもない急な階段。

「こわー」

みゆが覗きながら言った。

「またゴキブリとか
いるかもよ」

あすみがつぶやく。

階段からは
一層ひんやりとした
空気が流れ出ている。

松明の明かりは
すぐそこしか
照らしてくれない。

「でもこの部屋から
出なきゃだし」

るみかが言った。

ドアの外にまだ
ゴキブリがいるかは
わからなかったが、
4人はなんとなく
開けたくなかった。

「うーん。どうしよ」

ゆきなが腕を組む。

沈黙が続く。

静まりかえった室内に
空気の音が微かに聞こえた。

ヒュー

ヒュー

ヒュー

4人は一斉に
階段の暗闇を見つめた。

「外に続いてたり
するのかな??」

あすみが暗闇へ
耳をむける。

「行ってみる?」

とるみか。

黙って頷く3人。

「よし」

るみかが階段に
足を踏み入れた、
その瞬間。

ゴトッ

と鈍い音がして
階段の段差はなくなり
すべり台のようになって
るみかは叫びながら
すべり降りていった。

「キャァァーーーーー…」

「「「るみかッ」」」

一瞬のことに
残った3人はこれしか
反応できなかった。

そしてゴクリと
つばをのむ。

「…行くしかないね」

あすみが言って
3人は目を合わせる。

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