モノクロ
下へ行くとおじいちゃんがテレビを見ていた
耳が遠いのかかなり音が大きい



その部屋の奥がお店になっている



こんな大きい音じゃ誰か来ても分からないよ



『おじいちゃん!ちょっと出掛けてきます!』



俺は結構大きい声で話したが、聞こえなかったようだ


ゆずが微笑んでおじいちゃんに近付く
横から優しく肩を叩き耳元で、でも大きな声で話した



『ちょっと出掛けてきますね!』



おじいちゃんもこれには気付き頷きながら



『気をつけて行っといで!』



と言ってくれた
俺達は店の方から外へ出た



俺達は土手に向かって歩き出す



『写真と…同じ顔だったね』



『うん…同じだった』



『声聞いて…涙出そうだった
写真と同じ優しい声で』



『うん…俺も』
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