モノクロ
『ただいまー』


廊下を通りリビングへ
その隣の和室にある縁側におばあちゃんはいつも座っている


『ばあちゃん!ただいま

ねぇねぇあのさこれって、ラブレタァ…
あぁ何でもねーや』


利弘はそのまま2階へ上がっていく


おばあちゃんはそれを聞いた瞬間何か遠い昔の記憶が蘇って来た

おもむろに立ち上がり部屋の角にある古いタンスの前へ


迷わず1番上の右端の引き出しを開ける
何枚もの封筒の中で1番下にある薄茶の封筒を出した


『こんな色になって…』

少し微笑みながら言う


表書きを見ると


源次郎様


と丁寧な字で書かれていた
久しぶりにドキドキしながらゆっくりと中の手紙を出す
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