バカな君
わたしは日向が泣いたことにびっくりして、自分の涙なんて引っ込んだ。
「日向ッ?なんで泣くの?
つらいことでもあったの?」
そう聞いてもフルフルと首を横に振るだけで。
「・・・ら。」
「え?」
「お姉ちゃんが泣かないからっ!!!!!!!!」
私の周りにはどうしてこう優しい人ばかりなのだろう。
わかった。今まで私が2回しか泣かなくて済んだのは、
私が長女だからとか、
冷めているからとか、
そうじゃなくって、
こんなに優しい人たちが、私の代わりに泣いてくれる人たちがいたからだ・・・。