バカな君

わたしは日向が泣いたことにびっくりして、自分の涙なんて引っ込んだ。

「日向ッ?なんで泣くの?

つらいことでもあったの?」

そう聞いてもフルフルと首を横に振るだけで。

「・・・ら。」

「え?」

「お姉ちゃんが泣かないからっ!!!!!!!!」

私の周りにはどうしてこう優しい人ばかりなのだろう。
わかった。今まで私が2回しか泣かなくて済んだのは、

私が長女だからとか、
冷めているからとか、

そうじゃなくって、

こんなに優しい人たちが、私の代わりに泣いてくれる人たちがいたからだ・・・。

< 30 / 69 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop