バカな君


「・・・ねぇ空?」

がんばれ、がんばれ私。

「わたしね・・・空のこと応援できない」

風が強くて、薄い壁が邪魔して、空に届かない。

「ごめん、なに?!」

空が大き目の声でわたしにききかえす。
薄い壁がもどかしい。
少し、少し力を入れれば壊れるのに、
私にはそんな勇気はなくて、

「・・・っ空ぁ!」

弱い、弱いわたし。
空に助けを求めたんだ。

・・・でも私は知ってるよ?空。貴方もこの壁を壊すような勇気はないの。
ううん。壊す必要なんてないの。
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