数字の2…
一応室内の照明を落としケーキの蠟燭に火が灯される。

すると、ゆらゆらと揺れる蠟燭が、ぼんやりと室内を照らし出す。

それを下の弟が、一気に吹き消した。

それを見た家族が嬉しそうに拍手する。誕生日ではないが、弟は自分が主役に成った様な気がして、ちょっとだけ得意になった。

「それじゃあ、ケーキ分けますね。」

母親が言った。

「あ、僕は、こっちが良いから三人で分けなさい。」

父親はビールの入ったグラスを、ちらりと掲げて母親に笑顔を返した。

「それじゃあ、全部を三等分すると大き過ぎるから、半分にして、それを三等分しましょう。残りは明日食べましょうね」

そう言って母親がケーキを取り分けようとした。
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