もう会えない君。
第八章 悪夢の始まり
昼食を食べ終え、一通り買い物をした私達が最後に向かったのはゲームセンター。
悠はどうしてもやりたい事があるのだと言う。
だから私と隼は悠の数歩後ろを着いて行った。
――立ち止まる悠の目の前にある“それ”。
「実はさ、一回くらいやりたかったんだ~!」
そう言ってピースサインを作る悠。
目の前にあるのは種類豊富のプリクラの機械だった。
悠のやりたい事って…この事だったんだ。
今日、三人で遊んだという“証”を残したかったのかな?
私達は手前にあった機械にお金を入れてフレームやら肌色やらを選択してプリクラを撮った。
落書きに凄く拘っていたのが悠。
余程、プリクラが気に入ったのか…悠は切り分けたプリクラをずっと眺めてた。
三人で撮った初めてのプリクラ。
悠は相変わらず面白くて変顔をしている。
その姿を見て笑う私と隼。
プリクラには今日の思い出が刻まれていた。
私達はプリクラも撮り終えた所で帰る事になった。
帰りの電車に乗るのは私と隼だけで悠とはこの駅でお別れ。
「夏休み後、また会おうな!」
悠が私達に向かって手を振る。
だから私達も悠に向かって手を振った。
扉が閉まり、電車が走り出した。