もう会えない君。
第九章 夏の終わりに…
「大変だっ!」
ファミレスで突然、悠が言い出したのは夏休みが終わる二日前の事。
丁度、私がオレンジジュースを口に含んでいる時だった。
焦り気味の悠に隼が何事かと思い、驚いた表情で「どうした?」と聞くと悠は大きく溜息を吐いた。
「俺さ、」
かなり落ち込んでいるように見える悠。
さすがの私も只事ではないと判断し、オレンジジュースを置いて悠に耳を傾けた。
「俺……」
「何かあったのか?」
「………」
「実は…な?」
「どうしたんだよ?」
「………」
「俺、俺……」
「うん?」
「悠、何があったの?」
「……宿題終わってねえ!」
「………」
「………」
「やばい!まじでやばい!」
「………」
「………」
「え、やばいよな!?どうする!?俺!!」
真剣に聞き入ろうとした自分が情けない。
私も隼も同時に呆れたように大きく溜息を吐いた。