もう会えない君。
第一章 出会い
…君と出会ったは高校の入学式の日。
桜が空を美しく舞い落ちる。
ピンク色の絨毯のように地面は桜の花びらでいっぱいだ。
真新しい制服に身を包み込み、学校へと向かう。
今日から東英高校の一年生になる…私、鈴木凛。
まだ通い慣れない道をメモに書かれた地図に従って進む。
「あれ?」
途中で道に迷った私は立ち止まった。
周囲を見渡したけど人気はない。
何処で間違えたんだろう…。
不安が過る中、時間だけが刻々と進んでゆく。
立ち尽くして地図と睨めっこをしている時だった。
「あの…」
背後から声を掛けられた事で私は肩を上下させた。
恐る恐る振り返ると同じ制服を身に纏った一人の男の子が立っていた。
「もしかして東英高校の生徒?」
私が振り返ると不思議そうな顔で私に問い掛けて来た。
「そうなんだけど…道に迷って」
私の返答に男の子は少し驚いたのか、一瞬だけ目を見開いて優しく微笑んだ。
「じゃあさ、一緒に行かない?」
思いもよらない現状に思考が着いていくだけで精一杯だった私はただ頷く事しか出来なかった。