もう会えない君。
第十章 見えない影
夏休みを終えた後は定期考査があって、上位にランクインしていた。
…それもそのはず。
隼と悠と私の三人は夏休みを明けてすぐに放課後のファミレス通いを実行した。
それは他の何の為ではなく、目的はただ一つで夏休み明けの定期考査に向けて猛勉強する為。
ファミレスで軽めの夕飯を摂りながらの勉強はかなりハードでキツかったけど二人が居たから頑張れた。
元々、勉強は得意じゃない。
でも、だからといって不得意というわけでもない。
教えてもらえば分かる。
ただ呑み込みが遅いだけ。
やろうと思えば出来る方だったりする。
夏休みの宿題は案外、簡単だったのに今回のテストばかりは簡単ではなかった。
テストというだけあってか、やけに難しい。それに範囲が広過ぎる。
だから隼に教わろうと思ったら悠も分からなかったらしく、三人で勉強する事になった。
隼は頭が良いというより勉強が私より出来る。
でも私が得意の科目を隼は出来ない、その逆に私も隼の得意教科が出来ない。
それは私と隼だけに限らず、悠も同じだった。
お互いが分からないのではなくて、どちらかが分からない。
その為、教え合いっこのようになっていたけど、それが良い方向に出たらしい。
だって結果が結果だったから。
普段、勉強が出来ない私が上位にランクインするなんて本当に珍しい。
頑張れば実るというのはどうやら嘘ではないらしい。
今回の定期考査でよく分かった。
私は定期考査の結果が良かった事が嬉しくて勉強を頑張るようになった。