もう会えない君。
第十一章 真実
皐と悠はとりあえず、私をソファに座らせると何か食べろと言ったけど食べたくないと首を左右に振った。
そしたら悠は皐に「コンビニ行ってくる」とだけ告げ、部屋を出て行った。
二人は私の部屋の鍵を大家さんから借りてきたらしく、それで今、ここに居る。
大家さんは簡単に承諾してくれなかったけど事情を話すと承諾して合鍵を貸してくれたと悠が居なくなった後、教えてくれたけど正直、それはどうでもよかった。
「皐くん、」
だから私は大家さんの話を続けようとするのを阻止した。
「ん?」
「隼とはもう会えないのかな」
「あ…えっと、」
「私、自分から別れようって言ったのに」
「後悔してるの?」
「うん。今でも好きだから」
「…そっか」
「隼、追い掛けて来なかったでしょ?」
「うん?」
「あの日…隼は追い掛けて来なかった」
「………」
「期待してたんだ。本当は来てくれるんじゃないかって」
「………」
「だけど来なかった」
「あのね、凛ちゃん」
「隼は私の事…嫌いだったんだろうな」
「…凛ちゃん、」
「………」
私はね、真実を知りたいだけなの。
なんで隼は由香里さんと居たのかを知りたいの。