もう会えない君。
第十三章 左右された運命
何も起きないと思ってた。
変わらぬ日々を送る事が出来るんだって思ってた。
だけど…
静かな生活は長く続かなくて。
私達を待ち受けていたのはゴールの見えない暗いトンネルだった。
隼と復縁して私は本当に幸せな毎日を過ごしてた。
学校に行く時も、帰る時も必ず隣には隼が居た。
校内でも私に対する嫌がらせや暴言も隼と悠のお蔭でなくなった。
だから“ブス”という言葉を聞く事もなくなった。
相変わらず、二人は人気だけど私の傍に居てくれる。
隼は女縁を切ると言った、あの日以来、女子生徒とは本当に用がない限り、口を利かなくなった。
ある日の放課後。
いつもみたいに帰り支度を始めていた時だ。
隼の携帯が鳴った。
携帯をポケットから取り出した隼は一瞬…
本当に一瞬だったけど驚いていた。
でも私は気付かないフリをした。
聞いてはいけないような気がして…。
――何も起きなかったのは復縁してから一ヶ月間だけだった。
この一ヶ月間の間で私達はどれだけの思い出を作れていたのかな?
もしも、隼と過ごす時間が少ないと分かっていたら…
私は隼と居る時間を増やして、隼の隣に居たかったよ。