もう会えない君。
はあ…と溜息が零れた。
「お前、俺の話を聞いているのか!聞く気がないなら授業を受ける必要はない!」
…さすがに傷付いた。
そこまで言われなきゃいけないの?
私は何も言葉を返さないまま視線を落とした。
出なくていいと先生は言うけれど出なきゃ出ないで卒業する為に必要な単位を修得出来なくなってしまう。
だから私は教室から出る事だけはしなかった。
このまま出て行けば負けを認めるような気がしたから。
先生が授業に戻り、再び文字を黒板に並べていく。
私はずっと俯いていた。