もう会えない君。
「よく聞け、隼!」
「…なんだよ?」
「凛が復活したぞ」
「………」
突然、何を言い出すかと思えば…見れば分かる事なのに悠は当たり前とでもいうような態勢を身構えている。
「鈴木さん、こいつと居て飽きない?」
隼が悠を指示しながら呆れた顔で言った。
…飽きた事はない。
むしろ面白すぎて飽きる事なんて出来ない。
「飽きない」
私がこう答えると隼は意外そうな表情を浮かべた。
そんなに意外かな?
なんて心の中で思った。
もちろん、口にする事はないけど。
「あれ?てか、お前等…いつまで名字で呼び合ってんの?」
私と隼の会話を聞いて悠は不思議に思ったのだろう。
私達は未だにお互いを名字で呼び合っている。
癖…というのだろうか。
それとも入学式以来、ずっと名字で呼び合っているから慣れてしまったのだろうか?
互いに顔を見合わせる私と隼。
「名前…てことは“鈴木さん”じゃなくて“凛”って呼べばいいのか」
「んー、じゃあ私もこれからは“隼”って呼ぶね」
レベルアップしたというか、親近感が湧いた。