チューリップの王子様
兵と男達が居なくなり、残されたのは俺とカノン
俺はゆっくりカノンに近づいていく
「カノン…」
声をかけて触れようとしたら、カノンの肩がビクリと跳ねた
カタカタと震えて自身をきつく抱き締めているカノンの姿は、あの時と同じだった
人市場から連れて来た
人間不信のカノンがそこにいた
「カノン…戻るよ」
震えるカノンに触れずに、言葉でカノンに帰宅を促す
すると、小さく頷いたカノンがゆっくりと動き始めた