チューリップの王子様
仮面舞踏会
そして、待ちに待った舞踏会の日
お城からお父様に内緒で、お母様に連れられ外に出た私
馬車の中からずっと、お母様にしがみついている
「ほら、着いたわよ?カノン。…大丈夫よ?」
優しく促され、馬車から一歩外に出る
目の前に広がる輝く世界
耳に届く素敵な音楽
身に纏うは、薄いピンクのふわふわなドレス
素顔を隠すための、赤い瞳を隠すための仮面…
そして、私はお母様に手を引かれ、舞踏会が行われている会場へ足を踏み入れた