チューリップの王子様
しばらく抱き締めていると、徐々にカノンの震えが治まっていった
あれ…?
震えが止まった…
「ごめんね…怖い思いさせて」
カノンの震えが止まったのを確認した俺はカノンに話しかける
俺がお使いを頼まなければこんなことにはならなかったのに
「大丈夫…です。グレイ様が…助けて下さったから」
涙声でカノンが答えるがその声は震えていた
「もしも…人市場で買ってくれたのがグレイ様じゃなかったら…私はさっき以上の酷い仕打ちを受けていたと思います…」
カノンの話を聞いてさっきの光景が思い出される
カノンの肌に俺じゃない男が触れた…
カノンの唇が俺じゃない男に奪われた…
すごい…嫌悪感…