チューリップの王子様

名残惜しいが、さずかにこれ以上キスを続けたら歯止めが効かなくなると思い、ゆっくり唇を離す


「ふ…はぁ…」


唇を解放したカノンの息は少し乱れていた


「…嫌だった?」


呼吸を整えているカノンにそんなことを聞いた俺

でも、これで"嫌だった"なんて答えられたら、ショックで死ねる気がする…


「嫌では…ないです…けど…あの…その…」


嫌ではない

っと言いながら真っ赤な顔のカノンは少し慌てていた

カノンがメイドモードに戻ったらしい…


メイドが主人とキスをした

その禁忌な匂いがする状況に慌てているんだと思う

でも…


「嫌じゃないなら…問題ないじゃん?」

「…ぇ」


俺の言葉にポカンっと口を開けて固まるカノン

でも、そんなの無視する

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