チューリップの王子様
「…スミレ様とは…誰ですか?」
ここに来てから初めて聞く名前だった
私の問い掛けに反応したのはレインさん
「スミレ様は、ココと同盟国のワンダー国の第一王女で、グレイ様の―…」
「レ イ ン !!」
レインさんの説明を途中で遮ったのはグレイ様だった
「余計な説明いらない」
「…はい」
結局…
スミレ様は一体どんな人なの?
私は分からないままだ
「カノン」
「あ、はい!」
頭を悩ませていると、グレイ様が私を呼んだ
「ちょっと行って来るから…レインと一緒にいて」
「わかりました」
グレイ様の言葉に一回頷いて、部屋から出て行くグレイ様を見送った
そして、ポツンと残された私とレインさん
「…お茶にしましょうか?」
「あ、はい」
一緒に残されたレインさんの提案に了承して、二人でプチお茶会を開くことにした