チューリップの王子様
「あの…スミレ様って…」
私の部屋でティータイム中…
もう一度、レインさんに聞く
すると、レインさんの肩がピクリと反応した
「スミレ様は…今一番有力な妃候補です」
「妃…候補?」
妃…
グレイ様の?
「今年…グレイ様の王位継承の儀があるんです。それと同時に婚約の儀も執り行われます。その婚約の儀の時にグレイ様が選ぶんです。自分の妃となる人を…」
その妃に一番近いのが…
スミレ様…
「…そうなんですか。知らなかったです」
胸の奥がチクリと痛む
たぶん…嫉妬してるんだ
嫉妬出来る立場じゃないのにね…