チューリップの王子様
うとうとし始めるカノン
それを見て気がつく
「カノン。コンタクト外そう?目に悪いから」
「でも…」
「鍵は閉めてあるから。ここの部屋なら大丈夫だよ」
俺が言うと、カノンは小さく頷きコンタクトを外した
カラコンの下から現れたのは鮮やかな赤い瞳
「久々に見たかも…その色」
「あまり、外さないので…」
ちょっと寂しそうな瞳でカノンが言う
皆はこれを鮮血色だと言うけど、俺はこの色が好き
「綺麗な色…宝石みたい」
「ふふっ…そう言うのはグレイ様だけです」
俺が言うと、今度は照れを含んだ瞳が俺を見る
見れば見るほど綺麗な赤
君に似合うチューリップの色