チューリップの王子様
気分上々の私は鼻歌混じりで城内を歩いている
すると、曲がり角のところで雑談をするメイド達の会話を耳にした
「グレイ様の王位継承まであと少しねー」
「お妃様には誰が選ばれるのかしらね?…やっぱりスミレ様ですかね?」
当たり前じゃない
私以外に誰がいるのよ
自信満々の私に対して、予想してなかった会話が続いた
「…私、カノンさんじゃないかな?って思ってるのよねー」
は?
カノンさん?
あの、グレイ付きのメイド?
「えー…ただのメイドですよ?あり得ないですよー」
その意見に賛成するわ
グレイがメイドごときに心を奪われるなんてあるわけないもの