チューリップの王子様

「昨日カノンさんが倒れたの知ってる?」

「あぁ、はい。風邪を引いたらしいですね?」

「グレイ様。必死の形相でカノンさんを部屋に運んだんですって。もちろん、自らの手で」


グレイが?
たかが、いちメイドに?


「あと、カノンさんを見るときのグレイ様の目!アレは恋する瞳よ。熱くて甘い視線…まさに恋する瞳!」

「グレイ様がカノンさんをねー…」


恋する瞳…?
グレイがメイドごときに?

あり得ない…
あってはいけない…

グレイは私の物です
誰にも渡さない…!!

< 153 / 214 >

この作品をシェア

pagetop