チューリップの王子様

「はぁ…はぁ…」


広い会場内を走り回り、やっと見つけた建物の物陰

そこに、そっと腰を下ろす


「…お友達に…なれると…思ったのに…ひどいよぉ…」


さっきの出来事を思いだし、涙があふれる

外の世界はもっと素敵な所だと思ってた


待ちに待ったこの日だけど、もう帰りたい…


涙を流しながら、縮こまっていたら背後から人の気配を感じた


驚いて目を隠すのも忘れ、振り返ってしまった


「君…」


そこに居たのは、同じ歳くらいの男の子

私を見て驚いている


そして、気づく

目を隠していないことに


「片目…赤い…」


男の子の言葉に血の気が引いた

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