チューリップの王子様

十字架に縛り付けられた私の前に看板が打ち込まれる


その看板には赤い文字で大きく書かれていた

"悪魔の子 ブラッド・アイ"


広場に町の人が集まって来た


"信じられない"

"怖いわねぇ"

"ずっと騙していたの?"


色々な声が聞こえる


そして、私の視界に入ったのは一人の女の子…

パン屋の一人娘のスズナちゃん

やっぱり驚きを隠せない様子


ごめんね…
驚いたよね…


私はスズナちゃんを見て、口パクで言った


『ごめんね』


騙したかったわけじゃないの…

せっかく仲良くなったのに、裏切るような形になってごめんね…

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