チューリップの王子様
そして、城の前の広場に来てその光景を目にした
大きな十字架に座ったまま縛り付けられたカノンの姿
カノンは肩で息をして、ボロボロの状態だ
「カノンっ!?」
俺の声に一瞬反応した気がしたが、カノンの瞳は閉じられ、それ以降俺の呼び掛けに反応しなくなった
「グレイ様!鎖の鍵は大臣様が持っています!」
パン屋の娘が涙を流しながら俺に教えてくれた
「大臣か…あの人が素直に渡すわけないよな」
大臣は俺の中の要注意人物
あの人は、次期国王の座を狙っている
だから、いつも俺に反発してくる
そんな俺が大臣に頼んでも結果は見えている
「レイン、出来るか?」
「やってみます」
俺はレインにピッキングを頼んだ