チューリップの王子様
「ッ…ぉ…お母…様っ…」
無意識に居ないお母様に助けを求める
怖くて、体も震える
「泣かないで…?大丈夫だから…ね?」
怯える私に、優しく語りかける男の子
「これ、使いな」
そう言って差し出されたのは、男の子が身に付けていた仮面
「…怖く…ないの?私、ブラッド・アイなのに…」
私の目を見て、こんな反応をした人はお母様と妹以外初めてだった
私が戸惑っていると男の子は、また何かを差し出した
「鮮血の瞳なんて言って皆、変だよね?だって、君の瞳…チューリップみたいで綺麗だよ?僕は、その色好きだよ?」
そう言って差し出している物は、赤いチューリップだった