チューリップの王子様
「…ごめんねカノン。こんなツラい思いさせて…」
熱い頬を優しく撫でながら言う
少しの風邪くらいなら、無理にでも連れて行くべきだったね
ブラッド・アイを隠した俺が責任持って全力で守るべきだったのに
城内だから…
自室だから大丈夫だと思ってしまった
まさか、スミレが俺の不在時に来るとは思わなかった
まさか、鍵の掛かった部屋に入れるとは思わなかった
「ごめんね…」
もう一度カノンに謝罪の言葉をかけると、ベッドの近くにあるソファーに寝転んだ
そして、ゆっくり眠りに落ちていった