チューリップの王子様
王位継承の儀
私の瞳のことがバレて数日後
グレイ様の王位継承の儀の日がやってきた
私はこの儀式が終わり次第グレイ様のメイドを辞める
そして、この国を出る予定になっている
「姉様…」
「っ?!」
中庭で思いにふけっていると、小さな声で呼ばれた
急に声を掛けられて驚いたわけじゃない
"姉様"っと呼ばれたことに驚いた
私を"姉様"と呼ぶのはリーノしかいない
振り向くと、やっぱりリーノが立っていた
「リーノ。駄目だよ、こんな所でその呼び方は…」
小さな声でリーノに注意する
「ごめんなさい…」
「気をつけてね?私の瞳のことで、リーノまで巻き込みたくないから」
私が言うと、わかったようにリーノは一回頭を縦に小さく振った