チューリップの王子様
「ほら、リーノ。会場に戻りなさい?今の私と一緒に居たら駄目…そのことがお父様の耳に入ったら…リーノがあの国を出されてしまう」
私を売るほど私のことが嫌いなお父様が、私とリーノの接触を知ったらリーノまで追い出されてしまう
あの国を追い出されるのは、私だけで充分だよ
「大好きだよ…リーノ。私のたった1人の妹」
「私も大好き。姉様だけが私の姉様だよ…」
涙のダムが崩壊したリーノの頭を優しく撫でる
私はどこに行くのか分からないけど、きっともう会えない…
それは、リーノも分かっていると思う
これが最後…
「元気でね…幸せになって」
私が言うと、泣きながらだけど力強く頷いたリーノ
そして、リーノは私に背を向けて会場に戻って行った
さぁ、私も最後の仕事をしよう