チューリップの王子様

私がメイドとしての最後の仕事

王位継承の儀の参加

私はグレイ様の後ろに立っているだけの簡単な仕事

最後にグレイ様が王位を継ぐ瞬間に立ち会える
とても、幸せで名誉なこと


「カノン…大丈夫?」


儀式用の服を着用したグレイ様が心配そうに私を覗き込む


「大丈夫です。グレイ様はご自身の心配をなさってください」


本当は大勢の前に出るのが怖い
でも、これが最後

私はグレイ様を心配させないために笑顔を作る


「儀式…頑張って下さい」

「…うん」


そして、儀式は始まった

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