チューリップの王子様

「あげるよ?チューリップ。君にぴったりのお花」


ニコッと笑いながら言う男の子

私は、戸惑いながらもそれを受けとる


チューリップ色…

初めて言われた言葉に、胸の奥がじんわり温かくなる


「ありがとう…嬉しい」


自然と笑顔になり、男の子にお礼を言う

すると、男の子は顔を真っ赤にした

耳まで赤い…?


「っ…じゃ、その、僕は、もう行くね!バイバイ!」

「え、ちょっと…」


名前を聞きたかったのに、その子は逃げるように走って行ってしまった

一体、誰だったんだろう

また、会いたいな…

そんなことを思いながら、貰ったチューリップを優しく握りしめた

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