チューリップの王子様
その銃口の先は王様の前
グレイ様が王様の前に行くための道の途中…
レインさんに言えばいい?
駄目…それじゃ間に合わない
グレイ様がまた一歩前に出た
そして、規則正しくもう一歩前に足を踏み出そうとする
そこは、もう銃口の的…
私は
飛び出した
もちろん周りはザワつく
そして、次の瞬間…
パンッ
パンッ
パンッ
会場に響く3回の銃声音
そして、私の体に走る衝撃と焼けるような痛み
会場が驚きで静かになる
「お怪我は…ありません…か?グレイ様…?」
「カ…ノン?」
グレイ様の白い服から血が出てる形跡はない
よかった…
私は力を無くし、驚きの悲鳴で湧く会場の声を聞きながら、その場に崩れ落ちた