チューリップの王子様

「グレイ様に会えて…幸せでした」

「死ぬみたいなこと言うな!お願いだから、喋んないで!」


苦しい表情のグレイ様
でも、私は続ける


「悪魔の子は…消えます…」

「お願い…カノン…もう…黙ってよ…」


私が喋る度に血液が外に流れる

そして、その度にグレイ様の表情が悲しみ色に染まっていく

私なんかのために悲しんで下さってありがとうございます…

もう、お別れです


「グレイ…様…どうか…お幸せ…に……」


最後の言葉を絞り出すと、ゆっくり瞳を閉じた

否、開けている力が無くなった




私、ちゃんと笑えてたかな?

グレイ様…
告げることは出来なかったけど
貴方のことが大好きでした

どうか
私の分まで幸せになって下さい…


さようなら…


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