チューリップの王子様
「…カノンに触れて不幸になったか?」
ザワつく会場に静かに響いた俺の声
「俺は…カノンといて不幸になったことなんてないよ」
もし…
本当にもし…
カノンが死んでしまったら
その時こそ、俺は不幸のどん底に落とされる…
「カノンは…町の皆が…国の皆が好きだって言ってた。…皆は違うの?カノンの瞳が赤いって知った途端…嫌いになるの?」
俺の静かな問いかけに、どよめく会場
でも、スミレは引かない
「あの女は、ずっと私達を騙していたのよ?!やっぱり魔性の女よ!」
スミレはどうしてもカノンに妃の座を譲るのが嫌らしい…