チューリップの王子様

「……グレイ様」


体が揺らされ声が聞こえた


「レイン…?」


目の前にはレインがいた
周りを見渡すと手術室前

あぁ、そっか…
カノンを待ってて…
寝ちゃったんだ

あれ?
今、ココにレインが居るってことは手術が終わったの?


「カノンは!?」


俺が聞くと微妙な表情をした


「一応…命は取り止めましたが…出血が酷く、低酸素状態が続いてしまって…いつ目を覚ますか…」

「……そっか」


命は取り止めた
でも、いつ目を覚ますか分からない

まるで、眠り姫


「…すみません」

「いや、レイン達じゃなきゃカノンは間違いなく死んでいた…ありがとう」

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