チューリップの王子様
リーノ様が運ばれた後に、カノンも運ばれて来た
まるで死んでいるみたいに動かない
そんなカノンに俺は絞り出すように謝る
「ごめん…カノン」
俺を庇ったせいでこんなことになって…
もっと周りに気をつけてれば良かった…
無意識に拳に力が入る
その手をレインが取る
「あまりご自分を責めないで下さい…カノン様はそんなこと望んでいませんよ?」
そして、力強い眼差しで俺に言う
「貴方が今やるべきことは後悔することじゃありません。カノン様が目覚めた時、どうしたら笑って過ごせるかを考える…そうでしょ?」
本当に…
レインは良い執事だね
「あぁ…そうだね」
レインの言う通りだ
悔やんでる場合じゃない
カノンが楽しく暮らせるように…
国から…いずれは、世界から"ブラッド・アイ"って言葉を消滅させてやる