チューリップの王子様

「じゃぁ、リーノ様のことは頼んだ」

「はい」


俺が言うときっちりお辞儀をするレイン
そんなレインに伝言を託す


「リーノ様に伝えて欲しい事があるんだけど…」

「なんでしょう?」

「リーノ様に、カノンのお世話をしてもらいたいんだ。そんなに大変な仕事じゃないから。交渉してもらえる?」


そう聞くとレインが笑った


「喜んで了承して下さると思います。今まで会えなかった大好きなお姉様の側に居られるですから」


それだったら嬉しいな
カノンも身内に世話をして貰った方が嬉しいと思うし


「これをリーノ様に渡して?カノンの部屋の鍵」


この鍵は、俺とレインしか持っていない特別な鍵
リーノ様の為にもう一本作ったのだ


「かしこまりました」


レインは、俺から鍵を受けとる

っと、同時に部屋の扉がノックされた


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