チューリップの王子様
足早に向かったのはカノンの部屋
鍵を開けて中に入る
「カノン…」
ベッドの上で静かに眠るカノン
その頬に触れる
「カノン…目を開けて…」
でも、俺の願いは届かない
固く閉じられた瞳は開く気配がない
「待ってるから…ずっと、待ってるから…」
俺の隣は君の為にあるんだ
絶対に他の子になんか渡さないから
「カノンが笑って暮らせる国を…世界を作って待ってるから」
"ブラッド・アイ"
君を傷つけるこんな言葉…
俺が消してあげる
だから…
「お願い…俺の隣で笑って…」
そっと、カノンの額に被る前髪を退け現れた額に小さくキスをした
そして、静かに部屋を出て俺は仕事を再開させた
君が笑って過ごせる世を作るために