チューリップの王子様

頭を混乱させていると再び扉が勢いよく開いた

そこには…


「グレイ様…」


走って来たのか息の上がったグレイ様が立っていた
その後ろにはレインさん

あ、グレイ様を呼びにいったのか…


「カノン…」


ゆっくりグレイ様が近づいてくる
それと入れ違いにリーノは私から離れてレインさんの所に行った

そして、リーノとレインさんは私とグレイ様を残して部屋を出て行った

目の前にグレイ様がいる
…緊張する


「あの…グレイ様…私、本当に1年も?」

「あぁ…眠ってた」


苦しそうにグレイ様が言う
ついでなので、もうひとつ質問してみる


「王位継承…無事にできましたか?」


私は撃たれた後の記憶がない
だから、気になっていた


「出来たよ…カノンが…守ってくれたから」

「よかった…」


私は安堵する
でも、グレイ様の苦しそうな顔はさらに苦しそうになった



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