チューリップの王子様

「だから…教えて。カノンの気持ち」


私の気持ち
そんなのずっと前から変わらない

もう、気持ちを隠す必要はない


「好き…です」


ずっと言いたかった


「ずっと…ずっと、グレイ様だけを…」


涙と一緒に言葉も溢れる



「愛しています…」



好き

大好き

愛してる

グレイ様


「カノンっ」


名前を呼ばれて私はグレイ様の腕の中に収まる
抱き締められたままそっと上を向かされる

そして、ちゅっと軽く触れる唇


「愛してる…カノン」


グレイ様が優しく囁くと今度はしっかり唇を合わせてきた


「ンッ…」


気持ちにブレーキが掛かっていない初めてのキス
今、私は幸せです

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