チューリップの王子様
そして、私は次に城の中を走り回った
お姉様の面影を探すように、必死に走りながら
お母様が亡くなった時に、側にいた使用人達にお姉様のことを聞いて回る
でも
皆、答えは一緒だった
"リーノ様、あなたに姉などいらっしゃいません。夢でも見ていたのでしょう"
嘘だ…
居たよね?お姉様…
私の幻なんかじゃないよね?
なんで居ないの?
お姉様…お姉様っ…
ポロポロと涙が流れる
お母様…ごめんなさい…
私は…
リーノは、お姉様を守れなかったみたいです…
お姉様…ごめんなさい…
その日、私はお母様とお姉様
欠けがえのない二人を無くした悲しみに泣き続けた…