チューリップの王子様
私が連れ込まれた馬車は、豪華な物だった
そして、馬車が動き出したと同時にローブを脱いだ男を見て、どこかの貴族なのだということは理解した
男は、漆黒の瞳を持ち
以外にも若かった…
たぶん、私とそんなに変わらないくらい
それなのに、あんな大金を出せるなんて…
どこの貴族なの?
私が観察していると、男がナイフを出した
私は、下がれないとわかってても、後退しようとする
「や…やだっ…殺さないで!嫌、いやっ!!」
「殺さないよ。大丈夫だから。縄を切るだけだから」
そう言って男が近づいてくる
カタカタと震える体
恐くて、目をぎゅっと瞑る