チューリップの王子様
目を瞑っていると、縄を切る音が聞こえた
そっと目を開けると、ナイフをしまっている男の姿が見えた
本当に、縄を切っただけだった
自由になった手首を見ながら困惑していると、今度は綺麗に畳まれた布を渡された
「後ろ向いてるから、それに着替えて」
そう言って男は、私に背を向けた
またも、困惑しながらも従わなかったら殺されるかもしれないと思い、渡された物に手を着けた
渡された布は、服だった
紺色のワンピースに、白いエプロン
…メイド服?
疑問に思いながら、私は素直にそれを身に付けた
「着れ…ました…」
私が言うと、男が振り返った
そして、また距離を縮めてきた