チューリップの王子様
side:グレイ
俺は、15歳の時に仮面舞踏会で、黄の瞳と赤の瞳を持つ女の子に出会った
ブラッド・アイを持つその子は、会場の物陰で泣いていた
きっと、目のことで何かあったんだと思う
俺を見るなり怯えだした女の子
大丈夫だと促し、俺は側にあった花瓶から一本花を貰った
そして、泣いている彼女にそれを渡した
彼女の瞳と同じ色の
赤いチューリップを…
すると、泣いていた彼女はまるで、本当のお花のように笑った
俺の心を動かすには、十分過ぎる…可愛い笑顔だった