チューリップの王子様
「おまえ、何をしたか解っているのか?!」
お産を終えた次の日
王の怒鳴り声が王妃の部屋で響く
「…私は、母として娘を守っただけです」
王の言葉に動じず、我が子を優しく抱いている王妃
「そいつは、悪魔だ!殺さなくては、この国に災いが起こるんだぞ!?」
「この子を殺すなら、私を先に殺してください」
王妃は、王に目を向けないまま、冷たく言い放つ
「…っ?!」
王に王妃は殺せない
解っているかのように、王妃は冷静な態度をとる
「私は、ソレの存在は認めない!!」
捨て台詞を吐き
王は、部屋を出て行った
「私が、あなたを守るから安心してね…カノン」
王妃は、王が出て行った部屋で、優しく娘に呟いた