チューリップの王子様

そして、私が城に来てから3日が経った

私は、部屋の隅で膝を抱えて震えている


「カノン…せめて、何か食べようよ?死んじゃうよ?」


グレイ様が今日も不安そうに、私に食事を促す

でも、私は食べようとしない

恐怖で何も喉を通らない

だから、今日も震えながら首を横に振るだけ


「はぁ…俺、この後用事あるから。林檎1つでもいいら、食べて?」


そう言って、テーブルの上に赤い林檎を置いてグレイ様は、部屋を出ていった


「ふぅ…」


部屋に1人になり、やっと震えが収まる

すると、太股辺りに軽い衝撃がした

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