チューリップの王子様
乾いた音と共に、ジンジンと痛みだす私の頬
私は目の前の女に叩かれた
痛い…
痛みに堪えながら、反射的に瞑ってしまった目を開ける
「きゃっ…!」
今、小さく悲鳴をあげたのは、私ではなく目の前の女
私を見て驚いている
まさか…?!
「ブラッド…アイ…?!」
女の言葉に、私は急いで片目を手で隠した
どうやら、叩かれた反動でコンタクトが外れてしまったらしい
「誰か…誰か来て!」
女が大声で叫んでいる
どうしよう
逃げたい…
でも、どこに?
何も出来ない私は、片目を隠して座り込むしかなかった
誰か助けて…
神様…
お母様…